photo by 山根香 / YAMANE Kaori
photo by 山根香 / YAMANE Kaori
鏡に油性ペン、修正ペンphoto by 山根香 / YAMANE Kaori
photo by 山根香 / YAMANE Kaori
吾郷佳奈 個展「をちこちのここのとこ」
同時代ギャラリー ギャラリービス
〒604-8082 京都市中京区三条通御幸町東入弁慶石町56 1928ビル2F
2021年11月2日(火)- 11月7日(日)12:00 - 19:00
会場マップ ▶
額縁製作(「エンドレス」「reselfie」1~3」)|平城 侑樹(tirami) / picture frame by HIRAGI Yuki(tirami)
あちらこちらに、わたしたちを隔てる透けたもの。
今となっては街中にありふれたものになった透明な膜越しの風景は、透ける素材を好んで作品に取り入れてきた私にとって、とても目を奪われるものでした。その膜によって、あちらとこちらの境界が可視化されているようで、不思議に思うのです。
感染防止のためのパーテーションなどに透けるものを用いていることに、私は断絶へのささやかな抵抗を感じます。その壁は人々を隔てるものでもあるけれど、誰かが隣にいることが分かるものでもある。隣り合う繋がりをかろうじて繋ぎ止める命綱のようにも思います。
今回の展覧会では「ここのところにおけるわたし」を軸に、最近の風景として見慣れつつあるアクリル板やビニールを用いて、透明な境界で分けられた両面をひとつの平面にすることを試みます。また、日々を膜越しに捉えた絵画によって「わたし」を描きます。会期中には来場者や展覧会場といった「わたし以外」をモチーフに、ライブドローイングを行います。
複雑に絡み合った状況の輪郭線を、私の中のいくつかの視点による解釈で探ります。
あちこちの日常のなかの一つとしての、わたしの最近のところです。