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吾郷佳奈 個展「ナルシスとエコー」

THE THOUSAND KYOTO 1階アートギャラリー
〒600-8216 京都府京都市下京区東塩小路町 570番
2023年10月5日(木)- 10月23日(月)

会期中無休(24時間入場可)

 

共同開催:THE THOUSAND KYOTO、京都市立芸術大学

KYOTO EXPERIMENT 2023 フリンジ

「More Experiments」参加企画

会場マップ

スタンド制作(「visibility / my contour」)|矢野 洋輔 / picture stand by YANO Yosuke

「自画像の方法」について考えています。わたし自身の輪郭線、わたし以外のものとの境界線を知り、感覚したいのです。

 

その方法の一つとして、「わたし」を認識するために鏡を使っています。鏡に映るわたしの輪郭線をなぞり描くことで、わたしの像は遠のきつつ、鏡は線で埋め尽くされます。また、鏡面状になった「わたし」の輪郭線は、環境に呼応して色を変えながらも、わたしの形であり続けます。

 

本展では、ギリシャ神話のナルシスとエコーの物語になぞらえて、もう一度わたしの作品を辿りなおします。ナルシスは水面に映る自分自身に恋してしまい、触れようとすればするほど崩れてしまう像に焦がれながら息絶えました。エコーは神の怒りに触れ、相手の言葉を鸚鵡返しすることしかできなくなってしまい、最後には体をなくして、こだまという現象に変化しました。

 

見えなくなることが分かっていても水面に触れずにはいられなかったナルシス。万物を反射する現象として名前を得たエコー。 近づくほどに自分が見えなくなっていくこと。自分は周囲に呼応する中で成立する存在であるということ。「わたし」を知ろうとする一連の行為の言い換えのようにも感じるのです。

 

誰しも自分で自分の顔を正面から見ることはできません。一番近くに在るのに一生わかることのない「わたし」を描くことは、わたしの、ひいては個々人の在り方というものを代弁しうるのではないかと思っています。

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